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M&A一般 2024.4.17 配信

【会社の売却・買収を検討する経営者必見】M&A仲介事業社を選ぶ3つのコツとは?

【会社の売却・買収を検討する経営者必見】M&A仲介会社を選ぶ3つのコツとは?

手数料だけを単純に比較するのはやめよう!


M&Aの仲介会社は、中小企業の売却や買収におけるキープレーヤーです。売却を検討するオーナーを見つけ、事業を引き継ぐのに最適なシナジー効果の高い買い手候補を繋ぐ役目を担っています。交渉やデューデリジェンスと呼ばれる調査、契約書の取り交わしなど、個人ではとても担えない膨大な業務を代行します。

スムーズなM&Aには仲介事業者が欠かせません。

 

しかし、中小企業における事業承継問題の広がりにより、数多くの仲介会社が誕生しました。何を基準として、どのように選んだらよいのか分からない経営者を数多くみかけます。選定するポイントを抑えることが重要です。

仲介手数料だけを重視して単純比較しがちですが、手数料は要素の一つに過ぎません。

重視するポイントは担当者が信頼できるかどうか


M&A仲介の上場企業で、大手の一つM&Aキャピタルパートナーズは、M&Aを検討したことがある経営者に対して意識調査を行っており、2023年12月に調査結果を発表しています(「M&Aに関するイメージ調査を実施」)。それによると、M&Aを検討する際に相談したい支援機関としてM&A仲介会社を挙げた割合は53.9%でトップ。多くの経営者が仲介事業者に頼っていることが浮き彫りになりました。

 

更に支援機関の選定基準について尋ねたところ、「信頼出来る担当者(M&Aアドバイザー、コンサルタントなど)」が65.3%と圧倒的でした。次いで「適正な企業評価」、「納得感のある費用」と続きます。

仲介事業者を選ぶ3つのコツは、この調査結果によく出ています。これらの要素を抽出して集約すると、以下のようになります。

 

1.担当者の質(ヒアリング力、理解力、課題解決能力、業務推進力の高さ)
2.仲介事業者の質(特定業界への理解、実績の数、専門家との連携)
3.仲介手数料

 

この3つの要素をバランスよく見定め、最適なM&A仲介会社を見つけてください。ただし、少数の担当者の実力だけに頼っていたり、業務が属人的になっている仲介会社は組織力が弱いためにおすすめはできません。

M&Aの大事なポイントを理解した上で成約まで進行するフローが社内にあるかどうか。その点を見極めて選びましょう。

担当者とツーカーの関係を築けるかどうかが一番のポイント


M&Aはどのような人物が担当するかが最も重要です。

よく、M&Aは総合格闘技に例えられます。経営や事業活動だけでなく、財務、労務、法務、ITシステム、業界特性など、あらゆる知識を求められるためです。また、売り手と買い手はそれぞれ別の思惑を持っており、交渉する際はそれが交錯します。成約金額が高額なM&Aは失敗することができず、関係者の誰もがギリギリの調整を行います。

 

また、M&Aは半年ほどの期間を経て成約へと至りますが、その間に決算書や雇用契約、賃貸借契約などの確認を行い、企業価値の算定や事業上のリスクなどの洗い出しをしなければなりません。社会保険などの未払いは簿外債務となり、決して見逃すことができません。一連のプロセスは複雑かつ難解で、財務や労務のスペシャリストなどの専門家がプロジェクトに参画します。

 

プロジェクトに関わるメンバーが円滑に動けるよう取り計らい、売り手と買い手の着地点を見つけて成約させるのが、M&Aコンサルタントなのです。

 

担当者の能力として、何よりも重要なのがヒアリング力。M&Aの交渉では、本音が隠されていることが少なくありません。本音が見えないと着地点を見出すことがことができず、交渉が長期化することがあります。

優秀なコンサルタントはヒアリングを通して、売却や買収に際して何を重視しているのか、譲渡した後に何を期待しているのかといったことを把握していきます。両社のゴールイメージが明確になれば、交渉時にどこで折り合いをつけられるのかを予想できます。

交渉がスムーズに進むとコンサルタントと経営者の信頼関係が醸成され、更にプロジェクトは進みやすくなります。

 

熟練のコンサルタントは交渉事に慣れているため、課題解決能力も高い傾向にあります。壁にぶつかっても過去の経験をもとに、機転を利かせた対応ができるのです。

 

コンサルタントと話をした際、意志疎通にズレが生じていないか、こちらの想いを汲み取ったコミュニケーションが取れているか、このあたりを重点的に見るとよいでしょう。

広範なネットワークを構築しているか


仲介会社に十分な実績があるかどうかも重要です。広範なネットワークを構築し、業界への理解度が高いかどうかを確認してください。

 

企業価値の算定方法や金額は、担当する会社によって異なります。特に中小企業の場合は市場の影響を受けやすいことや、特定の人物に事業推進を依存していること、キャッシュフローが安定していないなどの理由により、企業評価の過程を合理的に説明しきることが難しい傾向があります。

しかし、実績が豊富かつ売却や買収を希望する会社の業界に強みがある仲介事業者であれば、勘所を抑えているために納得感のある評価額を提示することがほとんどです。

 

実績が十分な会社は、M&Aの候補となる会社の広いネットワークを構築しています。M&Aは譲渡金をもらって終了ではありません。従業員や取引先、顧客との関係は続きます。ステークホルダーすべてが幸せにならなければなりません。そのためには、どのような会社が買収するのかが重要です。

事業内容だけでなく、企業風土、組織体系、経営者の性質、経営方針と戦略などによって、買収された会社の方向性は大きく変わります。シナジー効果を生み出して拡大し続けられるかどうかも重要な要素です。

 

更にM&Aを成功させることに対する熱量の高い会社は、譲渡後に成長できる相手を探し出す力を持っています。大手仲介会社は全国的なネットワークを構築していますが、小規模な案件はどうしても後手に回りがちです。広範なネットワークが構築されているだけでなく、小規模な会社であっても親身に相談に乗ってくれるかどうかも見極めましょう。

料金体系はどうなっている?


仲介手数料には以下のようなものがあります。

・相談料
・着手金
・中間報酬
・デューデリジェンス費用
・成功報酬費用
・月額固定料

 

相談料は初回の面談(相談)で数万円程度発生するものです。多くの仲介会社では無料に設定されています。業務委託契約を結ぶと発生するのが着手金です。数十万円から200万円くらいの幅で設定されているケースがほとんどです。

基本合意書を締結すると発生するのが中間報酬。成約金額の~20%程度を支払います。

デューデリジェンス費用は、会社の調査を行うのに必要なものです。規模によって金額は異なりますが、中規模の会社であれば300万円程度でしょう。

成功報酬は最終契約締結後に支払うものです。多くの仲介会社ではレーマン方式を導入しています。

 

【経済産業省公表の「中小M&Aガイドライン」に記載されているレーマン方式の手数料】
・基準額5億円までの部分:5%
・基準額5億円超~10億円の部分:4%
・基準額10億円~50億円の部分:3%
・基準額50億円~100億円の部分:2%
・基準額100億円超の部分:1%

 

注意したいのは、レーマン方式の基準額の中身。「移動総資産(株式価格+負債総額)」、「企業価値(株式価格+有利子負債)」、「株式譲渡対価」など、様々なケースがあります。

株式価格が2億円、有利子負債が2億円、その他負債が1億円の会社があった場合、企業価値(株式価格2億円+有利子負債2億円)は4億円で手数料(5%)で2,000万円。移動総資産(株式価値2億円+有利子負債2億円+その他負債1億円)で、手数料は2,500万円となります。

 

レーマン方式を採用している会社であれば、基準額の内容も確認するとよいでしょう。

 

これらの手数料の他に、月額固定料がかかります。

買い手候補が少なく連絡が途絶えてしまうことも


業務委託契約をしても、買収候補となる会社が確実に出てくるわけではありません。理由は様々です。

売り手企業でM&Aに失敗しがちなパターンは、こちらの記事で紹介しています。

M&Aに失敗する売り手企業の特徴とは? ポイントを抑えてスムーズに売却を

 

買い手候補が極端に少ない、または無い場合は仲介会社からの連絡が途絶えてしまうパターンもあります。初回の業務委託契約を結ぶ際、定期連絡の日時やルールを決め、随時双方が円滑に状況確認を行える体制を築いておくと、成約まで快適に過ごすことができます。

執筆者 コンサルタント/ライター フジモト ヨシミチ

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。
現在は中小企業を中心としたコンサルティングと、ライターとして活動しています。
得意分野は企業分析とM&Aです。