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医療・製薬 2021.5.6 配信

出資持分ありの医療法人の事業承継は何をする? ~繁盛していても後継者探しに苦労するケース~

出資持分ありの医療法人の事業承継は何をする?

~繁盛していても後継者探しに苦労するケース~

出資持分ありの医療法人 ~第三者へ承継する場合~


本コラムでは<出資持分ありの医療法人>を、第三者へ承継する場合について解説していこう。

【事例】——————————————————————————–
◎高齢を理由に引退をご希望されている先生が営む小児科クリニック
先生は現在68歳。
25年以上、地元でクリニックを続けており、社員も8名勤めていた。
患者数は多く、経営も安定しているが、後継者探しが長引いている。
——————————————————————————————-

こちらの小児科クリニックは出資持分のある医療法人なので、第三者へ承継する際は下記の対応が必要となる。
・出資持分の譲渡や払い戻し・退職金での調整

※出資持分なしの場合は、出資持分の譲渡・払い戻しはなく、主に退職金を中心とした調整のみとなる

医療法人(出資持分あり)の譲渡をする際の注意点とは?


出資持分ありの医療法人を譲渡する場合、注意しなくてはならない点がある。
承継時に、出資持分の譲渡や払い戻しが必要になるため、以下の確認が必須だ。

医療法人は医療法54条の「医療法人は剰余金の配当をしてはならない」という理由で、
出資持分は相続財産として「財産評価基本通達194-2(医療法人の出資の評価)規定」が適用される。

「財産評価基本通達」とは、相続税・贈与税を課税価格計算するときに、
対象となる財産の評価をどう取り扱うか国税庁が定めたものだ。

一般的には以下を用いて評価額を算出する。
・類似業種比準価額
・純資産価額 

評価額の計算は非常に複雑なので、顧問税理士や専門家に相談の上で算定するのが良いだろう。

出資持分の評価額が大きい場合の問題点


出資持分の評価額はクリニックが繁盛していればいるほど高くなっていく。

「出資持分の評価額が高い」と一見良さそうに感じるが、承継を行う場合、大きな問題点もある。
それは、出資持分の評価額が高い分だけ、相続税も多額になってしまうことだ。

今回ご紹介した小児科クリニックの事例もまさにそう。

「患者さんはどんどん来るのに、後継者がなかな見つからない……」
これは出資持分の評価額が過大され、承継の相手探しが困難になっているのだ。

上記のようなケースが非常に多いのが実情である。

出資持分の評価額を下げるための対策とは……?


出資持分の譲渡・払い戻しの前に、出資持分の評価額を下げる対策も有効だ。

具体的には、
・役員退職金など人件費の増加、利益圧縮(生命保険の加入、MS法人への利益分散など)
・大規模な設備投資(院内の増築や改築・新築、医療機器の購入など)
などなど……

承継を考える先生のなかには、すでに顧問税理士とともに
上記のような対策を進めている先生も多いのではないだろうか。

上記の対策以外に、承継の相手探しには、
<開業したい人の情報> <引き継ぎたい第三者>の承継ニーズの情報を持っていることがとても重要になってくる。

承継ニーズの情報を得るために、M&A仲介サービスを利用するのもおすすめだ。
M&Aの専門家は承継ニーズの候補者を多く知っているので、早期の承継に役立つだろう。

執筆者 武藤タケル

ライター(男性30代)
健康・政治・経済から、結婚式・葬儀・健康分野など様々な分野を得意とするライター。
趣味はキックボクシングと傾聴講座。様々な業界のM&Aに関するリアルを取材してお伝えします。