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M&A一般 2022.4.13 配信

【M&A基礎知識】買い手がつかないよくある事例を一挙紹介

【M&A基礎知識】買い手がつかないよくある事例を一挙紹介

会社のことを包み隠さず話そう!


日本の高度成長時代を支えた中小企業を中心に後継者不足が深刻となり、M&Aが活発になっています。イノベーションリーダーズは、会社を売りたいとオーナーと、買って事業を拡大したいと考えている経営者とをつなぐ橋渡しの役割を担ってきました。

経営上の悩みを抱える数多くのオーナーとヒアリングを重ね、将来的な成長を約束してくれる信頼性の高い買い手候補との交渉をしています。

そうした過程で、どうしても買い手がつきにくい会社や条件が出てくるものです。M&A仲介のプロフェッショナルが見てきた事例を紹介します。会社の売却を検討している人は参考にしてください。

それではさっそく紹介していきましょう。
交渉が進まない、あるいは買い手がつかないよくあるパターンその①。
「決算書の改ざん」です。

決算書の改ざん……。
しかし、会社の内情を一番よく知っているのは経営者のはず。相談したばかりの相手がそんなに簡単にわかるものかな。

わかります。事業承継相談士は決算書を閲覧してヒアリングをするとすぐに見抜けます。
ただし、これには高い知識と経験が不可欠です。経験の浅いコンサルタントや仲介業者の場合、案件を進めてしまって後から改ざんが発覚して破談になるケースもあります。相談する際は率直に内情をお話しください。何か対策が打てる場合もあります。

なるほど、経営状態をすべてオープンにすることが重要なんだね。

よくあるパターンその②は「決算書などの重要な書類を開示しない」です。
売り手企業の内部調査をしなければ、買い手候補を探すことができません。買い手も得体のしれない会社に手を出そうとは思いません。もし巨額の簿外債務が買収後に発覚すれば大損害を被ることになります。

決算書は経営者にとって成績表のようなもの。確かに簡単に第三者に見せたくないという気持ちもわかるね。

コンサルタントや事業承継相談士は、会社の行く末を共にするパートナーだと考えてください。会社を成長させ、従業員や取引先の将来を約束するため、それに相応しい買い手候補を見つけてきます。そのためには、会社の内情を正確に把握することが必要です。

売却の意思を固めた時点で、すべてオープンにすることを肝に銘じておいた方がいいんだね。

 

株主の承認なしに売却を進めるのはダメ!


次はときどきあるケース。
「株主ではないのに、会社を売却しようとする」です。

雇われ社長が会社を売却しようとするのかな?

このケースは大きく2つのパターンがあります。1つは雇われ社長。もう1つは株主だと嘘をつくものです。どちらも株主に内緒で会社を売却しようとする悪質なものです。

これだと真剣に相談に乗っても、株主ではない以上、話が進まないね。しかし、万が一売却できたとしても、株主でない限り譲渡金は受け取れないはずでは?

まったくその通りです。
ただし、世の中にはいろいろな人がいます。こんなケースがありました。
譲渡金が貰えないことはわかっている雇われ社長が、退職金規定をはるかに超える巨額の退職金をもらおうと企てたのです。その会社には退職金規定がなかったため、自ら勝手に定めたといいます。ただし、退職金規定は株主総会や取締役会の承認を得なければならないため、勝手に作っても絵に描いた餅です。

無茶苦茶だね……。

オーナーが売却の意思を固めていて、交渉や相談の担当者が別の社員ということもあります。この場合は気軽に来ていただいて構いません。

オーナー経営者は忙しい人も多いから、別の社員に行ってもらえると嬉しいね。

その場合に注意してほしいのが、買い手候補とオーナーとの面談日調整や、書類の受け渡しを迅速にできる体制を作ることです。
買い手候補が複数挙がった場合、経営者同士の面談を何度か行うことが想定されます。稀にその調整がつかず、何週間、何カ月も待ってしまうことがあります。これはオーナー以外の社員の権限がないことが関係しています。
M&Aはスピード感が重要です。交渉担当に当たる社員には事前に裁量権を与えてください。

M&Aのプロジェクト担当者は、会社のことをよく知っていて、オーナーとの意思疎通を図りやすい社員を選ぼう。

 

事業がなければ会社は売れない!


他には社員の平均年齢が78歳だったケースがあります……。

M&Aは優秀な社員を獲得するという側面もあるからね。いくら優秀な事業とはいえ、社員の平均年齢が70代以上と高齢になると今後の事業継続可能時間を考えると承継が難しいのかな。

はい。買い手となる経営者は、買収後すぐに安定して事業を継続することを望んでいます。

買い手の気持ちを考えることも重要だね。

中には事業を持たずに事業計画だけという人もいます。

そういう人はベンチャーキャピタルか日本政策金融公庫で資金調達をするべきかもしれないね。

M&A仲介は実際に事業をしている会社の売買が基本になります。小規模すぎる事業も買い手がつきにくいので注意してください。

ある程度の売上規模があって利益が出ていれば、簡単に買い手はつくのかな?

もちろんつきやすい傾向はあります。ただ、M&Aは会社の業績以外に重視されるポイントがあります。それは信頼関係です。

信頼関係とはなかなか抽象的でつかみづらいね。

事業承継相談士やコンサルタントに対して誠実な態度をとる、買い手候補との面談で会社や社員のことを包み隠さず話す。そういった基本的なことができるかどうかが重要です。
相談する人の中には、夜になると機嫌が悪くなる人や、常にイライラした態度をとる人がいます。また、他社にも相談をしているのか、偏った知識を持って”試してやろう”とする人もいます。こうした態度で信頼関係を築くことはできません。
ビジネスを進める際の基本を抑えられているかどうかが重要です。

何事も基本が一番大事だね。

執筆者 コンサルタント/ライター フジモト ヨシミチ

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。
現在は中小企業を中心としたコンサルティングと、ライターとして活動しています。
得意分野は企業分析とM&Aです。