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M&A一般 2024.5.15 配信

【M&Aを検討中の経営者必見】買い手側がM&Aの仲介会社を選ぶポイントは?

【M&Aを検討中の経営者必見】買い手側がM&Aの仲介会社を選ぶポイントは?

M&Aは目的ではなく手段であることを意識する


既存事業の拡大や新規事業への進出、特許など新商品開発に向けた権利の取得、優秀な人材の獲得など、M&Aは企業や事業の規模を拡大するのに大変有効です。

事業基盤が整備され、力強く成長している会社は中小企業であってもM&Aに前向きになるようになりました。ホールディングス化してM&Aをしやすい体制を整える会社も数多くあります。

 

しかし、M&Aは多額の投資が必要であり、シナジー効果が生まれなければ成功とは言えません。買い手にとってM&A仲介会社の選択は重要ですが、その前段としての準備や心構えが成功を左右します。

この記事では買い手側にとってM&Aに必要な基礎知識と、仲介会社を選ぶポイントを解説します。

なぜなんのためにM&Aを行うのか?


何よりも重要なのは、M&Aの目的を明確にすることです。

 

買い手側によくみられる傾向として、M&Aの実行に焦点を当てていることがあります。M&A仲介会社に相談をして目ぼしい案件があり、それなりの条件であれば買収したい、などというものです。

このような状態では、いかなる仲介会社も買い手側の意図や目的がわからず、案件を紹介しづらいと感じるでしょう。

 

買収を検討しているのであれば、M&Aが経営戦略においてどのような意味を持っているのかを考えます。規模を拡大するのであれば、生産設備・販路・仕入先・人材・物流・拠点など、複数の要素があります。

新規事業への進出においても、既存事業とのシナジー効果がどれほど生じるのかをイメージしてください。

 

目的が明確になると、買収したい会社の業態や規模、従業員数、エリアなどの詳細が見えてきます。それによって買収予算も定まってきます。その内容を仲介会社に伝えることによって、建設的な議論や交渉が行えるようになるのです。

 

M&Aは必ずゴールから逆算して考えてください。手頃な案件を見つけたから買収した、というのは危険です。

枝葉の議論に終始するのは控えよう


目的意識を持つのは交渉を行う際も同じ。M&Aはデューデリジェンスと呼ばれる経営状態の調査を行いますが、その過程において中小企業はどうしても粗が目立つことがあります。

気になるものを一つひとつ挙げ、交渉の材料にすることもできますが、あまりに細かなことに目を向けてばかりいるといつまでたっても進展しません。

枝葉よりも大局を見て交渉することが重要です。そのためには、目的に立ち返りましょう。目的を達成する上で、外せない条件は何なのかを明確にするのです。

 

仲介会社のコンサルタントは良き相談相手になります。売り手と買い手を結ぶ仲介役と考えるのではなく、M&Aを成功に導くアドバイザーとして本音で語り合うのが良いでしょう。

 

なお、デューデリジェンスは財務や法務、労務などを専門家が調査するものです。大局を見るとはいえ、簿外債務や訴訟リスク、労働基準法違反の常態化など、後の深刻な経営リスクになる要素が潜んでいないわけではありません。

慎重にチェックを行い、おかしいと感じた箇所は遠慮なくコンサルタントに伝えてください。

M&Aにおける重要な決め事


最終的な契約(クロージング)を行うまでに、買い手側が決めるべき内容を紹介します。

 

●買収価額
●社員・取締役の処遇
●引継ぎ期間

 

企業価値は様々な方法で算出されます。最終的には買い手が納得できるかどうかが重要です。仲介会社は企業価値を出したプロセスについて説明してくれます。

実績が豊富な会社であれば、その話を受け入れやすいでしょう。他の事例などを引き合いに出して納得感のある説明ができるためです。

仲介会社を選ぶ際は、実績があるかどうかを見極めましょう。

 

社員や役員の処遇を決めるのも重要です。特に事業譲渡の場合は雇用契約を結び直します。雇用条件や業務内容の引き継ぎが譲受した後に変化するのかしないのか、詳細を固めることが重要です。

社長は売却後も一定期間引継ぎのために会社に残るのが一般的です。どのくらいの期間、何のために残るのかをある程度決めると良いでしょう。

買い手にとってベストな仲介会社とは?


仲介会社を選ぶポイントは3つあります。

 

1.広範なネットワークを築いているか
2.実績を十分に持っているか
3.コンサルタントの活動を組織的に支えているか

 

仲介会社にとってネットワークは極めて重要です。広いネットワークを構築している仲介会社は、買収候補として探しているイメージ像と合致する会社を見つけられる可能性が高まります。

コンサルタントに相談する際は、M&Aの目的や対象とする会社の特徴を明確に伝えてください。イメージが鮮明になっていなければ、ミスマッチを起こして買い手とコンサルタント双方が疲弊する結果となります。

 

実績を持っているかどうかは、公式ホームページなどで確認できる他、相談する際にどのような事例があるのかを尋ねるといいでしょう。

大手の仲介会社は幅広い業界を手掛けていますが、中小の場合は特定の業界に特化していることもあります。飲食や介護、保育、製造など、特定の業界に強みを持っている仲介会社の方がマッチングしやすいこともあります。

必ずしも大手の仲介会社がネットワークや実績に優れているわけではないので注意してください。

 

M&Aにおいてコンサルタントは相談役、交渉役、進行役として重要な役割を担います。ただし、会社がその活動をサポートしていなければ意味がありません。属人的な組織は担当者の質に左右されてしまうからです。

仲介会社に相談する際は、会社としてどのような特徴があるのか、いかなる仕組みでコンサルタントの活動をサポートしているのか尋ねるのも良いかもしれません。

執筆者 コンサルタント/ライター フジモト ヨシミチ

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。
現在は中小企業を中心としたコンサルティングと、ライターとして活動しています。
得意分野は企業分析とM&Aです。