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01

顧客の人生計画に合わせて
ライフタイムバリューを提供

SOUホールディングス株式会社
代表取締役 松丸喜樹

譲受企業様

SOUホールディングス株式会社

1915年9月創業の株式会社博全社が前身で、1999年3月16日に葬祭関連事業を扱う株式会社松丸商事を設立。2018年9月にホールディングス化して現在の形となった。グループ本部を千葉県千葉市、東京本社を千代田区に置いている。葬儀、保育、介護など、M&Aによって事業を拡大し、グループ全体の売上高は300億円を超えた。従業員数は3,755人で、葬儀式場は62か所、保育施設は208施設、介護施設は40事業所を展開している。2021年に保育事業のスクルドアンドカンパニーを譲受し、グループに加えた。

代表取締役 松丸 喜樹

1969年千葉市出身。1992年に京葉銀行に入行。1996年に博全社入社し、2008年に代表取締役に就任。事業が葬儀に限定されると経営リスクが高まることから、事業ポートフォリオの強化に乗り出す。その際に活用したのがM&Aだった。


Interview CASE.01

M&Aによって事業を拡大するに至った背景についてお聞かせください。

当社は葬儀が祖業です。心安らかな別れを実現するために、様々な取り組みを行ってきました。例えば、最長50日ほど遺体を清潔な状態に保つエンバーミング技術を導入し、海外などの遠方から弔問できる体制を整えたのもその一つです。社内研修制度の強化や社内検定制度の導入など、顧客満足度を最大限に引き上げる努力も続けてきました。
しかし、葬祭は一度きりのビジネスです。どれだけ顧客満足度を高めてもその瞬間で終わってしまう。もっと顧客と接点を持ちたいと考えるようになりました。それが事業の多角化を始めたきっかけです。顧客と一生付き合えるライフタイムバリューを提供しようと決めたのです。

経営戦略の視点でも会社の成長に事業の多角化は欠かせません。

はい。葬儀は人口動態に連動しているビジネスです。この先、人口減が続く日本において、葬儀に特化していることがはたして強みになるのか。高齢化による中期的なビジネスの成長は見込めますが、長期的にはシュリンクする産業です。しかも、低価格志向の競合も進出しており、パイの取り合いが激しくなってきました。一本足打法では危険です。
保育、介護、海外の事業を持つことで事業ポートフォリオを構築し、リスクの低減を図ることができます。

最初に取り組んだのが介護のM&Aでした。

葬儀事業とのシナジー効果が高く、市場規模が大きい介護事業を選びました。参入障壁が高いビジネスではなかったため、取り組みやすかったこともあります。介護事業は訪問系から居住系サービスまで、顧客のニーズに合わせた10種類もの介護保険サービスを提供できるようになりました。1都1府7県に40事業所を展開しています。M&Aによって事業に幅が持てるだけでなく、提供できるエリアやサービスが広がるのもメリットの一つですね。顧客満足度を上げられるからです。
2000年からは介護のコンサルティングサービスを提供しています。当社が培ったノウハウを他社に広げるまでに成長しました。
2018年には米国カリフォルニア州で日系人向け訪問看護事業を開始しました。海外に展開することで、ビジネスの新たな芽を育むことができました。同時に国内偏重を回避する、リスクヘッジにもなっています。

現在では保育事業にも力を入れています。

ライフタイムバリューを考えたとき、子育てという要素は欠かせないと感じました。また、近年の女性の社会進出は目覚ましく、政府は現状10%に満たない女性の管理職の割合を2030年までに30%程度まで引き上げるという目標を掲げています。国を挙げて女性の社会進出をバックアップしているのです。しかし、子供のことを心配して仕事に向き合えない保護者が多いのも事実です。当社は保護者の就業率向上に貢献したいと考えています。
当社は子供たちの自主性や自己肯定感を育てる方針をとっており、現代社会に即した保育を実現しています。保護者からは安心して預けられるという声もいただいています。
全国で208施設を展開し、保育事業も開業コンサルティングやフランチャイズも行っています。

保育園を運営するスクルドアンドカンパニーを譲受しました。

スクルドアンドカンパニーは直営保育園の他、全国の企業や病院内にある保育園の受託運営も行っています。女性の社会進出が進む中で、企業が福利厚生の一環として保育園を持ちたいというニーズは高まっています。ライフタイムバリューという側面でも、働く女性との接点が強くなることも、メリットが高いと考えました。
また、保育理念も当社と合致していました。自立的な人間を育むことを目的とした、モンテッソーリメソッドを取り入れたり、専門トレーナーをつけて幼児体育を導入しています。目指す方向が一緒だと感じ、ぜひとも当社と共に歩んでほしいと思いました。

トップ面談時の若林雅樹代表の印象はいかがでしたか?

非常に好印象だったことを覚えています。やはり、M&Aにおいては経営者の人柄が一番です。私はM&Aは結婚と同じものだと捉えています。人柄で相手を選び、意見を交わしながら同じ未来に向かって歩む。その中で、意見の食い違いや衝突ももちろんあります。しかし、その人柄や信頼関係で必ず解決へと導くのです。
若林代表とは同じ道を歩むに相応しい人だと感じました。会社は代表の人柄が色濃く出るものです。パートナーとしてグループを支えてくれるものと信じています。

SOUホールディングス松丸様(左)とスクルドアンドカンパニー若林様(右)

グループの今後の展開はどのようにお考えですか?

左から、SOUホールディングス坂井様、スクルドアンドカンパニー若林様、SOUホールディングス松丸様、当社仲介担当の新井

大きな柱の一つとして考えているのが、海外事業の強化です。現在、カルフォルニア州で訪問介護事業を展開しているほか、ハワイ州で仏教系寺院や一般消費者への仏事関連サービスを提供しています。展開するエリアの拡大を目指したい。特にアジア圏です。
アジア圏は活気があり、ビジネスが整備されていない国が多くあります。サービスを拡大する潜在力を秘めたエリアです。
当社は日本全国に85か所の宿泊施設を運営しています。インバウンド顧客向けに日本らしい文化を体験できる施設です。ここで多くのアジア人との接点を持ちました。国内の宿泊事業で得たノウハウをアジア圏にも広げたいと考えています。
残念なことに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で渡航に制限が出ています。しかし、星野リゾートが、2023年にインバウンドが2019年の水準に戻ると予測しているように、ワクチン接種が進めばいつかは収束を迎えるものです。その準備を着実に進めているところです。

M&Aを検討している人に向けてメッセージをお願いします。

買収を検討している人は、身の丈に合った会社を選ぶことをお勧めします。M&Aは会社にとって有利になるような“いい話”がとても多く舞い込んできます。その話を聞くのは楽しいことなのですが、会社の規模や文化、経営者の人柄は重要です。確実に利益になるからと、規模の大きすぎる会社を買収すれば、力関係が逆転して組織が破綻してしまいます。また、企業文化があまりに合わないところであれば、従業員同士の統制がとれなくなります。売上規模や会社が目指す方向が自社と合致するのか、そこを見極めることが重要です。
後はあまり考えすぎず、やってみるというのも一つのやり方です。今の時代は何もしないリスクの方が高いと考えています。地域や国内に限定されるビジネスの場合、ほとんどの産業が縮小することは間違いありません。それは間違いなくリスクです。M&Aによって事業の幅が広がるだけでなく、提供できるサービスが向上し、経営者の視点も変わります。たとえ失敗したとしても、それが財産になります。ぜひ、チャレンジしてみてください。