【初心者向け】M&A仲介会社とマッチングサイトはどう違う？

企業の成長戦略や事業承継において、M&A（Mergers and Acquisitions：企業の合併・買収）は重要な手段です。しかし、M&Aを成功させるためには、適切な相手を見つけ、スムーズに交渉を進めることが欠かせません。

ここで活躍するのが「M&A仲介会社」と「M&Aマッチングサイト」です。両者は同じ目的を持ちながらも、そのアプローチやサービス内容に大きな違いがあります。本コラムでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットを比較し、どちらを選ぶべきか解説します。

M&A仲介会社とは？

M&A仲介会社は、売り手と買い手の間に立ち、双方のニーズを調整しながら取引を成立させる専門企業です。経験豊富なアドバイザーが、相手探しから交渉、契約締結まで一貫してサポートします。

【メリット】
・専門的なアドバイス: 法務・財務の専門知識を活かし、複雑なM&Aプロセスをサポート。
・高度なマッチング力: 非公開案件や独自のネットワークを通じて、適切な相手を見つけやすい。
・交渉代行: 感情的になりがちな交渉をプロが代行することで、冷静かつ有利に進められる。

【デメリット】
・コストが高い: 成約時には成功報酬（レーマン方式）が発生し、費用が高額になることも。
・時間がかかる: 1社ごとに詳細な調査と交渉が必要なため、成約までに時間を要する。

M&Aマッチングサイトとは？

M&Aマッチングサイトは、売り手と買い手がオンライン上で直接相手を探せるプラットフォームです。登録した企業情報を基に、条件に合う相手を検索し、直接コンタクトを取ることができます。

【メリット】
・低コスト: 仲介会社に比べて手数料が低く、初期費用が抑えられる。
・迅速なマッチング: オンラインで即座に相手を検索できるため、スピーディーに進められる。
・匿名性の確保: 匿名で情報を掲載でき、初期段階では身元を明かさずに接触可能。

【デメリット】
・専門的なサポートが不足: 法務や財務のサポートが少なく、専門知識がないとリスクが高まる。
・相手の信頼性の確認が難しい: プラットフォーム上の情報だけでは、相手の信頼性を判断しにくい。
・交渉は自力で: 条件交渉や契約締結を自分で行う必要があり、交渉力が求められる。

どちらを選ぶべきか？

「M&A仲介会社」 は、特に以下の場合に向いています。

・複雑な案件や高額な取引を検討している場合
・法務や財務の専門知識が必要な場合
・交渉に不安があり、プロのサポートを受けたい場合

一方で、「M&Aマッチングサイト」 は次のようなケースに最適です。

・小規模なM&Aや事業譲渡を低コストで行いたい場合
・スピード重視で相手を見つけたい場合
・ある程度の交渉力や知識があり、自己責任で進められる場合

マッチングサイトは専門家のサポートがない点に特に注意してください。M&Aは巨額の投資を伴うものです。専門知識のない人が会社を調査しきるのは難しく、簿外債務や訴訟問題を抱えていた、権利関係がはっきりしていなかったなどのリスクを抱えていることがあります。事業の推進や資産の評価が著しく下がる可能性があるのです。

まとめ

M&A仲介会社とマッチングサイトは、それぞれ異なる強みを持っています。大規模で複雑な取引には仲介会社の専門性が頼りになりますが、小規模な案件ではマッチングサイトの手軽さとコストの低さが魅力です。自社の状況やニーズに応じて、最適な方法を選ぶことが、成功への第一歩となるでしょう。

M&Aを通じて新たな成長を目指す企業にとって、適切なパートナーを見つけることは大きなチャンスです。ぜひ、今回のコラムを参考に、自社にとって最良の選択を検討してください。