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M&A一般 2025.4.25 配信

脱炭素とAIが主役に イギリスM&Aの新潮流 ~高金利下における最新動向~

脱炭素とAIが主役に イギリスM&Aの新潮流 ~高金利下における最新動向~

イギリスはコロナによる行動制限を早期撤廃した影響で、2021年はM&Aの総件数が2020年比の1.6倍となる4,705件に急増していました。しかし、2024年は前年の半分以下となる1,529件まで縮小しています(デロイトトーマツ「世界のM&A事情 ~イギリス~」)。

ヨーロッパで高止まりしている高金利を背景に、レバレッジをかけづらくなっているのです。

M&Aが活発な産業は?


ただし、高金利がM&A全体の件数を抑制する要因にはなっているものの、好調な業界・業種はあります。むしろ、マクロ環境に強い構造や、投資家のテーマ性を反映した領域は積極的な買収が続いています。

 

【再生可能エネルギー・脱炭素関連】
背景:英国政府の「ネットゼロ政策(2050年温室効果ガス実質ゼロ)」が後押し。

注目分野:風力発電(特に洋上)、太陽光、水素、CCUS(炭素回収・貯留)。

買い手:PEファンド、欧州系インフラファンド、中東・アジア系投資家など。

代表例:オクトパスエナジーが他の小規模電力会社を複数買収。

 

【ライフサイエンス・ヘルスケア】
背景:パンデミック後も続く医療・バイオ投資熱と、高齢化社会への対応ニーズ。

注目分野:バイオ医薬品、メディカルAI、デジタルヘルス、介護テックなど。

買い手:米国企業、PEファンド、製薬大手。

代表例:AstraZenecaやGSKがスタートアップを積極的に買収・提携。

 

【フィンテック・B2B決済インフラ】
背景:ロンドンは欧州のフィンテック中心地であり、依然としてスタートアップが多い。

注目分野:Buy Now Pay Later(BNPL)、KYC/AML、BaaS(Banking-as-a-Service)。

買い手:米系決済会社、PEファンド、アジア系プラットフォーム企業。

代表例:Wise、Revolutを巡る出資・買収交渉が絶えず。

 

【AI・サイバーセキュリティ】
背景:ChatGPT以後のAIブームと、政府のAI戦略支援策。

注目分野:機械学習、自然言語処理(NLP)、量子コンピューティング周辺。

買い手:米国大手テック、中国・中東投資ファンド、日本企業(例:ソフトバンク系)も関心。

代表例:英国スタートアップ「Graphcore(AI半導体)」や「Darktrace(AIセキュリティ)」が注目対象。

高金利でも堅調な背景


好調な業界には英国政府の方針が大きく関係しています。たとえば「2050年ネットゼロ目標」に代表される脱炭素政策、AI技術の育成支援、医療デジタル化の推進など、国策として重点を置く領域には、自然と資本が流れ込みます。M&Aは単なる企業間の取引ではなく、「国の方針とリンクした成長戦略」になっているのです。

 

また、サブスクリプション型のソフトウェアサービス、介護・医療系不動産、再生可能エネルギーの電力売買など、英国で活発なM&Aの多くは、収益の見通しが立てやすいストック型ビジネスを対象にしています。ファンドにとって、金利が高くてもリスクが低ければ勝算はあると見ているようです。

執筆者 AI×編集部

この記事は、AIの分析力と人の洞察力が融合して生まれました。テクノロジーと経験が織りなす深い知見をお楽しみください。内容の真偽については編集部が確認しておりますが、完全な保証をするものではありません。