株式と債券はどんな関係にある？ 〜はじめての投資に効く、やさしいバランスの話〜

最近、友人がぼそっと言った。「最近、NISA始めたんだけど、株が上がったり下がったりで、ちょっと怖くなっちゃって」

そうだよね。投資って、何となく“賭け”みたいに思えちゃう。
でも、それってたぶん「株しか見てない」からかもしれない。投資の世界には、もう一人、静かに影で支えてくれる存在がいる。それが、「債券」というお金のかたち。

債券って、なんとなく地味で、遠い存在に感じるけど、実はとても心強い味方。企業や国にお金を貸す代わりに、少しずつ利子をもらって、最後にはちゃんと元本も返してもらえる。いわば、まじめな借用書。

そして、この“株”と“債券”、じつはおたがいにちょっとツンデレな関係にあるのです。

株が売られると債券が買われる絶妙な関係

たとえば、経済がぐんぐん伸びて、「今がチャンス！」という雰囲気のとき。
企業の売上は伸びて、みんな株を買いたがる。株価はどんどん上がっていく。
だけどそのぶん、「安全第一」の債券の人気は少し陰る。なぜなら、みんな“冒険”がしたくなるから。

逆に、世界がざわざわして、将来がちょっと不安になったとき。
人は急に“安心”を求めるようになる。そんなときは、株は下がり、代わりに「とりあえず守ってくれそうな債券」に人が集まる。すると、債券の価格は上がる。

まるでシーソーみたいに、どちらかが下がれば、どちらかが上がる。
不安なときには優しく背中を押してくれる存在。
派手じゃないけれど、しっかり支えてくれる相棒。
それが債券なんです。

2つの関係は恋愛と一緒？

株と債券の値動きが逆になりやすいからこそ、両方を持つ意味がある。
まるで、晴れの日も雨の日も楽しめるように、傘とサングラスの両方をカバンに入れておくようなもの。
どんな天気でも、わたしはわたしのままでいられる準備。

投資って、お金をふやす話のようでいて、じつは“心の余裕をつくる技術”なのかもしれない。
株がさがっても、「あ、大丈夫。こっちが支えてくれてるから」って思えると、怖さがふっとやわらぐ。

友人も、最後には笑って言った。
「なんか、恋愛と一緒だね。派手で気まぐれな人と、地味だけど安心できる人と、両方いると落ち着くみたいな」

……その例えがぴったりかはわからないけど、きっとどちらも必要なんだと思う。
ひとりで頑張らなくてもいい。ちゃんとバランスをとってくれる相棒がいるなら。
投資の世界でも、わたしたちの毎日でも、それがいちばんの安心につながるんだと思う。