ウクライナの地下に眠るもの、大国アメリカの大いなる野望

遠い国の話のようでいて、どこか自分の暮らしにもつながっている気がする。そんなニュースがある。ウクライナとアメリカ、そして「天然資源」の話だ。

 

ウクライナの大地は、広くて豊かだ。風にそよぐ小麦畑は金色に光り、その下には、鉄鉱石や石炭、リチウムなど、たくさんの資源が眠っている。リチウムって、スマホや電気自動車のバッテリーに使われる金属らしい。いまや私たちの暮らしに欠かせないものだ。

「地下資源という火種」

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アメリカがそのウクライナの資源に注目している。アメリカのトランプ大統領が、2025年2月28日にウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナの鉱物資源の共同開発に関する協定に署名する予定だと発表したのだ。

理由はいくつかあるけれど、大きくは三つあるらしい。

 

ひとつめは、「エネルギーとレアメタルの確保」。中国などに頼らずに、必要な資源を手に入れたいという思惑がある。

ふたつめは、「地理的な意味」。ウクライナはロシアのすぐ隣で、資源の通り道でもあるから、ここを味方にできれば、ロシアの影響を弱めることができる。

みっつめは、「経済のチャンス」。アメリカの企業にとって、ウクライナは新しいビジネスの可能性を秘めた土地でもあるのだ。

 

そんな中で起きたのが、ロシアのウクライナ侵攻。戦争の背景には、こうした資源をめぐる思惑もあるらしい。誰がウクライナの地下に眠る宝物を手にするのか。それが、世界のパワーバランスを変えてしまうかもしれない。

「身近なものに宿るウクライナの風」

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ロシアのプーチン大統領は、2025年3月18日のトランプ大統領との電話会談で、エネルギー関連施設への30日間の攻撃停止に合意した。ところが、アメリカとウクライナとの間で約束した30日間の停戦には応じなかったのだ。停戦交渉は暗礁に乗り上げてしまった。

 

けれど、そんな国どうしの駆け引きなんて知らずに、ウクライナの大地は今日も風を受けている。地面の下に、静かに鉱石が眠っている。空の色を見上げながら、遠い国の大地に思いをはせる。

 

もしかしたら、私の持っているスマホの中にも、どこかでウクライナの風が吹いているのかもしれない。