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不動産 2025.8.8 配信

【「参政党」が大躍進した第27回参院選】不動産を中心とした外資規制強化が視野に

減税論争の隙間をくぐり抜けた「外国人問題」

7月20日に投票が行われた参院選で、参政党が14議席をして大健闘しました。単独で法案を提出できる11議席を上回るというまさかの展開。ポイントは争点を「外国人問題」としたことで、それまで与党と野党が激しく議論していた「給付か」「減税か」というテーマから外れ、浮動層の心を巧みにつかみました。

 

参政党は外国人の土地取得規制や、外資系企業が日本企業に投資をすることを問題視しており、特に不動産の所有については外資規制が強まる公算が高まりました。参政党の躍進は日本のビジネスを大きく変える可能性を持っています。

なぜ「外国人問題」が盛り上がったのか?


選挙前の野党は、インフレによる国民の負担増を理由として、消費税をやり玉に挙げました。与党は社会保障費の重要な財源である消費税の引き下げは安易にはできません。また、一度引き下げると、引き上げるのに膨大な労力と時間を要するため、時限付きの措置であっても消費減税を受け入れるわけにはいきませんでした。

そこで、税収の上振れ分を給付するという案を持ち出したのです。給付は一時的な措置であり、恒久的な減税とは意味合いがまったく異なります。

この経済政策が選挙の主なテーマになると見られていました。

 

しかし、応援する政党がない浮動層からすると、与野党の政策はどれも生活の負担が軽くなるというもので、決め手に欠けます。自民党は減税派に対して財源論を振りかざしていましたが、野党の多くは国債の発行で賄うと反論しました。国債の増発は将来的なリスクを高めるものの、一般的な人々からすると国債の発行で万事解決するように見えてしまうのです。

こうなると、野党内で減税の割引率が高いポピュリズム的な政党に票が流れてしまうことになり、野党同士での票の取り合いに陥ることにもなります。つまり、この政策論争は議論が深まらず、有権者からすると決定打にも欠けていました。

 

そうした中、外国人の国民年金の未納問題や交通ルールを無視した事故の多発、一部の地域でゴミ出しなど地域ルールを無視する事案が表面化していました。そして、真正面からこの「外国人問題」を取り上げた参政党が一部の支持を取りつけたのです。ポイントは”わかりやすさ”。移民やリベラル層との分断を深め、一部の熱狂的な支持者を集めるトランプ大統領と似たところがあります。

外資規制を声高に訴える参政党


参政党は2023年6月に政府に対して「外国資本による日本企業合併及び買収に関する質問主意書」を提出しています。

政府が日本企業の外資の出資の受け入れを促進してきたことや、今後も海外からの投資の拡大、海外スタートアップの誘致、内外企業の協業支援強化など、外国資本による日本企業の経営参画を円滑化する取り組みを進めることに対し、政府自らが「日本の身売り」を推進しているに過ぎないと疑問を呈しました。

外国資本による日本企業買収の最大の課題は、外資系にかわった日本企業が生み出す付加価値のすべてが外国のものになるというのです。

 

クロスボーダーM&Aに対する見方がやや偏っているものの、参政党は外国資本の受け入れに対して強い反発心を持っているのは間違いありません。

参政党は海外のPEファンドによる買収も、転売目当てで転がされてしまう可能性が高いと否定的な態度を見せています。仮に参政党が今後も力を持つことになると、将来的に外資規制が強まる可能性もあるのです。

 

外資系の投資ファンドは一部の企業の成長に多大な影響を与えました。「スシロー」を運営するFOOD&LIFE COMPANIESはイギリスの投資ファンドペルミラ・アドバイザーズ、「コメダ珈琲」のコメダホールディングスは韓国を拠点とするMBKパートナーズの傘下に入っていた時期があります。投資ファンドの支援なしに、上場後も力強く成長する2社の姿はなかったでしょう。

 

安易に外資規制をするのではなく、問題点を洗い出して丁寧に議論する必要があります。

国民民主党も外国人問題に言及


参政党が特に問題視しているのが外国人による不動産の取得。神谷宗幣代表は出演したテレビ番組で、外国人が土地を取得する際に税金を高くとる方法や、住宅であれば住まないものに関して高額税金をかけることが必要などと発言しています。

日本の規制の緩さを批判しているのです。

産経新聞社の調査によると、外国人による不動産取得を規制すべきだと考えている人は77.2%を占めていました。自民党の支持層も72.6%が賛成しており、外国人の不動産取得規制強化は民意も得ています。

 

参院選で17議席を獲得した国民民主党は、選挙戦の追加公約で「空室税」の導入を訴えました。外国人による居住目的ではない投機目的の不動産取得に対して、追加の税負担を求めるというものです。

背景には首都圏のタワーマンションを中心に海外の投資家が資金を入れ、住宅価格が高騰していることがあります。23区内のマンションの平均価格は1億円を突破しました。日本の不動産は価格が安定しており、海外の投資家から見ると魅力的なのです

 

仮に外国人による不動産取得規制が強まった場合、高騰するマンション価格は一服する可能性があります。

参政党の躍進に加えて国民民主党も追加公約を掲げたこと、そして国民の多くも問題視していることを考えると、外国人による不動産取得の強化は現実味を帯びてきました。

執筆者 コンサルタント/ライター フジモト ヨシミチ

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。
現在は中小企業を中心としたコンサルティングと、ライターとして活動しています。
得意分野は企業分析とM&Aです。